ぶどうの木の剪定の仕方

家庭でおいしいブドウを収穫していくためには適切な剪定が必要です。剪定のコツは「前年によく実をつけた芽を残してそれ以外の弱々しい枝を剪定していけばいい」のですが、種類によってはプロでも剪定にとても悩むそうですし、元々ブドウを育てるのは最初の2~3年は簡単、だけど、その後好調さを持続させるのは難しいとも言われています。では適切な剪定とはどんなものか? コツを覚えて、おうちで毎年じっくり様子をみながら収穫を楽しみたいですよね~♪ 

剪定の準備

ブドウの木の剪定には剪定バサミを複数用意しておきます。

枝が太かったり細かったり硬かったりするからです。

切れなくていちいち道具箱まで取りに行くのは面倒ですし、カットする際に力をいれすぎて残すつもりの枝を折ってしまう事やケガの防止にもなりますからね。

それから切り口を保護する癒合剤もあるといいかもしれません。

癒合剤についてはこれより下の記事にのせています。 

剪定の時期は真冬の1月、防寒対策を!

真冬はブドウの葉っぱが全て枯れ落ちているので、枝の成長具合がよく見え、枝のバランスも確認しやすく剪定がしやすい時です。

またこの時期は木の成長が止まっているので適期です。

遅くても2月には剪定はやり終えるようにしましょう。

ブドウは春の早い時期から木の中の樹液が流れ始めるので、1月でも剪定をすると切り口から多少の樹液がもれだしてくることがあります。

樹液が漏れ出し続けるとブドウの発育や実の付き具合が悪くなってしまいますので、剪定の時期は十分に気をつけましょう。

元気に活動している木ほど漏れ出す量も増えるという悲しいブドウの性質。

そんなブドウの木にとっては剪定は大きなストレスになります。

そんな時のために切り口を保護する癒合剤というものがあります。

切ったそばから塗っていきましょう。

病害中の予防、切り口の治りを早めるといった効果が期待できます。

私は使ったことはないのですが、ネットでも簡単に手に入りますのでね。

木工用ボンドで代用している人もいるらしいですけれど、心配な方は癒合剤、準備しておきましょうね。

植えてからの年数により剪定方法が違う

植えて間もないブドウ(1年目)は?

この時期は樹を真っすぐに伸ばす段階なので、幹から横に伸びてくる細い枝を剪定します。

こうすることで栄養を幹に集中させます。

鉢植えの場合

地面から30センチを目安に2・3芽(節のようになっているところ)を残して水平にカットします。

地植えの場合

地面から60センチを目安に3~5芽を残して切ります。

最初は失敗するのではないかと心配になりますが思い切って切りましょう。

そうすることで、春の芽吹きが促されます。 

2年目は

日当りや風通しがよくなるように木の形を仕立てていく時期です。

ブドウが健康的に成長しやすくさせるための剪定になります。  

鉢植えの場合

伸びの良かった枝を1本残して、あんどんに1~2周巻いたところで剪定します。 

地植えの場合

フェンスを使った垣根仕立てにしたり、支柱をさして一文字仕立てにするので、枝の誘因を考える時期に入ります。

まっすぐに伸びた主枝の反対側に出た枝を、第2の主枝として、分岐部分から1mを残して端を切り落とし、不要な小枝も切り落とします。

主枝は分岐部分から1m以内の小枝を切り落とし、その先の小枝は25~50センチ間隔で間引いて2・3芽を残し先端を少し切り落とします。

3年目以降は

3年目以降は品種ごとに適した剪定をしていきます。

ブドウは大まかに2種類の剪定方法に分かれます。

主に次の二つの方法のどちらかで剪定をしていきます。例えば巨峰やピオーネなどは「長梢剪定」、べりーAやデラウェアなどは「短梢剪定」という剪定のやり方をします。

長梢剪定とは

木に勢いのある品種や、温暖な地域で育っていった品種におすすめな剪定方法で、芽を5~10個ほど残して切り落とすやりかたです。

木の生育がさかんなブドウは枝をバッサリ切ってしまうと、その枝を伸ばすためにエネルギーを使うようになってしまうので実の付き具合が悪くなるから、枝を長めに残すのです。

長梢剪定は残す枝の選び方が大切で熟練の技が必要なので、プロでもどの枝を切るか長時間悩むといわれています。

また家庭菜園では、木のバランスが悪くなると管理が大変になるので、あえて長梢剪定ではなく、短梢剪定(次に説明しています)をする人もいます。

短梢剪定とは

短梢剪定は前年に成長した芽の中で2・3芽だけを残してそこより先端に伸びている枝をカットするやり方で、短い枝をいくつも残すやりかたです。

年々2・3芽ずつ増えていくことになり、徐々に芽の数が増え、実の数も増えていくやり方です。

成長の勢いの弱い品種に適した剪定です。

短いその枝にじっくりと栄養がたまるようにすると、よい実がつくようになるからです。

管理の都合上や容易性から、どんな品種も全て短梢剪定をしている人もいますが、枝管理の作業量が多く実の質にばらつきができやすいようです。

芽を残すときは枝のどの部分にハサミをいれるのか?

ぶどうの剪定は『犠牲芽剪定」といって(芽はたいてい節のようになっている)芽自体をを真っ2つにスパッと切り分けるようにカットします。

芽と芽の間をカットするのではなく芽の際をカットするのでもなく、つまり芽を1つ犠牲にするという剪定です。

節の壁が残ることで凍結を防ぎ、枝が寒さから守られ、枯れるのを防ぎます。

ブドウ以外の木の通常の剪定では芽の上や枝の先端を切りおとしていくので、ブドウはやり方がちがうので、ブドウの剪定をする時は日常の剪定の感覚を忘れてくださいね。

また、昨年のブドウのつるが残っている場合は病気が一緒に越冬してしまわないように取り除くのを忘れないように。

ブドウを今年収穫するには適切な剪定を

ブドウは前年よく実をならせた枝を選び、芽をそれぞれの品種に合った数をのこしてカットし、貧弱なものは切り取る作業をすれば今年の収穫は目指せます。

ブドウは前年に出て、かつ実をつけた芽が、さらに今春成長しその枝にまた実をつけていくという性質があるからです。

残す芽の数は主枝の基部のところの基底芽と犠牲芽は数にはいれませんので注意してください。

基部のところの基底芽は小さくて芽とはわかりづらい場合があります。

節のようにふくらんでいるところの芽は基底芽の場所ですので、基底部の隣から出ていて、かつ、ふくらみが無い枝のところから出ているふくらみ(芽)があれば、そこから第一芽として数えてみましょう。

最後になりますが、ぶどうの木とご縁を持ててしまったなら、家庭菜園では、種類や芽の数や品質にあまりこだわりすぎず、基本を頭におきながら、ブドウの木と長い対話を楽しむつもりで取り組むといいでしょう。

ブドウのお世話は他にもあるので結構大変です~。

実がおいしくなくても、それなりに活用法はあるので、そこそこやっていきましょうね♪