ローズマリーはスキッとした香りで古くから薬用に用いられてきたハーブです。丈夫で育てやすく、1年を通して葉や茎が成長し、年中緑の葉を付けているため観葉植物としても存在感があります。一度しっかり根付くと、思った以上に沢山収穫できるので、消費方法が悩ましいところです。大きくなり続けるローズマリーの上手な管理の仕方や、楽しい大量消費の案など提案したいと思います。
剪定をかねた収穫をしてみよう
使う分だけ収穫するなら
ローズマリーは茎や葉が伸びていれば、収穫は1年を通していつでも行なえます。
伸びた茎の先端から10〜15cmほど切り取るだけです。
収穫の注意点は、清潔なハサミを使うことです。
ハサミが汚れていると、切り口から菌が入って病気になる可能性があるからです。
また15cm以上茎が伸びたところを収穫するようにしてください。
茎が伸びていないところを切ると、切り終えた後のローズマリーが一回りも小さくなってしまいます。
収穫後は用途により、生葉のまま利用したり乾燥させたり保存したりします。
ついでに剪定もしてみよう
ローズマリーは一年を通して葉や茎が生長するハーブで、種類によっては地上から1〜2mほどの高さまで生長するので、放っておくとどんどん茎や葉っぱが伸びてしまいます。
茎や葉っぱが増えすぎると見栄えが悪くなるだけでなく、空気が循環しにくくなって蒸れやすくなり、病害虫の被害にあう確率が高まります。
そこで「剪定」が必要になるわけです。
ローズマリーは夏の時期をさければ基本的にはいつ剪定を行っても大丈夫です。
新しい茎や葉を育てるために、
「収穫したあと葉が生えてこない茎」「内向きの茎」「下向きの茎」「枯れている茎」「細い茎」
は茎の生えぎわから切りとります。
ローズマリーは夏が苦手なので、7~9月の時期に切りすぎると回復できずに枯れてしますことがあります。
剪定の時期や程度には十分に気をつけましょう。
また、ローズマリーは生長にするにつれて緑色で柔らかかった茎は茶色で太くなり、だんだんと固くなっていきます。
このように茎が茶色くなって固く変化することを「木質化(もくしつか)」または「木化(もっか)」と呼び、木質化したローズマリーの茎からはほとんど新しい茎が生えてきません。
そのため、木質化した部分で切ってしまうと葉が生えてこなくなるので注意してください。
プランター・鉢植えの場合に必要な根の剪定
プランターや植木鉢に植えた場合、根もぐんぐん伸びて根詰まりを起こすので、根の剪定が必要になってきます。
成長がゆっくりで元気がなくなってきたら、以下の方法でやってみるといいかもしれません。
<根の剪定のやり方>
①プランター・植木鉢から取り出す。
②土をほぐして観察する。
③茶色く細い根が絡み合っている部分を見つける
④その根を土ごとハサミで切り落とす
⑤白い根が見えてきたら完成
ローズマリーの抜本的大量消費法
家庭での普段使いなら、ローズマリーの先端部分の15センチだけで1~2回分の食事で十分間に合ってしまいます。
毎日ローズマリーを使うわけではないし……
ローズマリーは独特の強い香りがあるので、ローズマリー自体が料理のメインになることはないし……
で、収穫するとほぼ使いきれないことになります。
捨てることなく有効に使い切るにはどんな方法があるでしょう。
挿し木で増やして苗づくり
ローズマリーを沢山収穫しすぎて使い道に困ったら、挿し木をしてローズマリーの苗を作ってみましょう。
ハーブの苗ならば育てる楽しみあり、利用価値もあり、贈る方も贈られる方も、ちょっぴり気の利いたプレゼントとしてお洒落感ありますよね。
<挿し木のやり方>
挿し木に適する時期は、気温が20~25℃になる5月~6月もしくは9月~10月です。
暑すぎたり寒すぎたりするとうまく根付きません。
古い枝の部分を切っても根付きにくいのでその年に成長した先端部分の15㎝程度を使います。
①株元に近く木質化した部分ではなく、その年に成長した健康な先端部分を15㎝ほどをカットします。
その時に切り口が斜めになるようにハサミを入れます。
②カットした部分から3分の1ほどのところまで、丁寧に葉を取り除きます。
③1時間程度水に浸しておきます。
④清潔な新しい土に挿します。(挿し木に用いる土は微生物や雑菌、肥料が含まれていない、なるべく「無菌」のものです。バーミキュライトに赤玉土(小粒や細粒)を混ぜたものなどがむいています)
③挿し木後はたっぷり水をあげて、そのまま1カ月程度水やりをしながら様子を見ていきます。
加湿になると根腐れの原因になるので、基本的には、土の表面が乾燥したら、たっぷりとお水をあげるようにすると丁度良いでしょう。
風通しの良いやや明るめの半日影で管理をします。
ローズマリーの防虫壁作り~苗から生垣に
苗づくりに成功したら次は苗を使って生垣作りにチャレンジしてみましょう。
虫よけ効果が期待できるローズマリーの目隠しができますよ。
ローズマリーには以下の3種類があります。
生垣に適したタイプはどれでしょうか。
①立性……枝が上方向に成長し、大きいものでは高さ2メートルに及ぶもの
②匍匐(ほふく)性………高さは30㎝ほどで、地を這うように広がり、場所によっては垂れ下がるように伸びていくもの
③半匍匐性(半立性)……立性と匍匐性をミックスしたような性質で、上にも横にも生長します
生垣作りには上記の種類のうち①を使います。
立性では「トスカーナブルー」という品種が有名で、おすすめです。
トスカーナブルーローズマリーは地中海原産の「常緑低木」で、背が低い「木」であり、
時間はかかりますが、うまく育てると2mくらいの高さに成長します。
理想の高さや密度を目指して収穫や剪定をしながら生垣をつくっていくので
成長具合や管理を考えて、30~60㎝の間でお好みの間隔をあけて苗を植えていくといいです。
終わりに
ここでは、思い切ったローズマリーとの付き合い方をつづってみました。
お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、生垣は地植えができるスペースがないと取り組めませんし、
もし地植えが出来たとしても増やせば増やすほど剪定や収穫の量が自動的に増えて、更に大量消費についてのその先が気になりますよね。
後日その先の消費法を載せていきます。